複数の業者(債権者)から、借入れ、クレジットカードでの買い物、ローンを組んでの商品購入などをしているような場合、一部の業者だけを任意整理する、というケースも時にあります。
例えば、下記のような事例が考えられます。
① 太郎(仮名)さん
消費者金融A社からキャッシング50万円の借入れ
B銀行のカードローン30万円の借入れ
C信販会社で200万円のローンを組んで車を購入(まだローンは100万円残っている)
→ 太郎さんは、車で通勤しており、どうしても車を残したいという希望があったため、C信販会社の車のローンについては任意整理の対象とせず、A社とB銀行からの借入れについてのみ任意整理をすることとなった。
② 花子(仮名)さん
消費者金融Dファイナンスからキャッシング30万円の借入れ
E信販会社でショッピング利用額が増え80万円ほど債務があり、現在はリボ払い中
大学生のときにGから貸与式の奨学金を受けており、お父様が連帯保証人、残金は120万円ほど
→ 花子さんは、奨学金については低金利であり、月々の返済額も1万円程度と低額であること、また連帯保証人であるお父様に迷惑をかけたくないという理由から、Gから貸与された奨学金については任意整理の対象とせず、DファイナンスとE信販会社からの借入れについてのみ任意整理をすることとなった。
一部の業者だけを任意整理するケースでは、任意整理をしなかった業者については今後も利息を払いながら完済を目指さなければなりませんので、利率や債務の残額によっては、あまり月々の返済の負担が減らず、根本的な借金問題の解決とはならない可能性もあります。
そのため、本当に一部の業者だけを任意整理する必要性があるのか、任意整理をする業者への返済を含めて今後返済を続けていくことができるのか、という点について、しっかりご検討いただく必要があるかと思います。